グーテンターク!ベルリン通訳ガイドの後藤裕起子です。今日もニュースレター「ドイツもこいつも」を開封してくださりありがとうございます。
このニュースレターでは、ドイツという国情やドイツに生きる人々の有様を、皆様にお届けいたしております。
(ベルリン・カイザーヴィルヘルム記念教会)
本日のお題は、「本来文化に境界はありません!ウットリする程幻想的な教会のステンドグラス」でございます。
ご自分のお持ちになっている宗教が、キリスト教でない方でも、教会のステンドグラスの荘厳な美しさには、心を動かされるのが常ではないでしょうか。
お客様にお伴し、欧州の様々な教会を訪問いたしました。復活祭を前に、ちょうど良い機会かと思いますので、少しステンドグラスの話でもさせて頂きましょうか? 2000年からベルリンガイド協会のガイディングコースを習得し、公認のガイドとして働くようになりまして、早20年が経過いたします。
自分にとって何がいちばんの収穫だったか?それは、この講習を受けて、ドイツ人の先生方からドイツ人の持つ歴史観を学ぶことができたということです。
基本的に、日本人の持つ歴史観とドイツ人のそれとは大きく異なります。歴史の上に歴史を積み重ねていく史観を持つドイツ人です。
それに反して、欧州の人達が10年前の福島の原発事件が起きた時に、開いた口が塞がらなかった「広島・長崎の原爆投下の前代未聞の大惨事など、まるでなかったように、地震国である日本に原発をバンバン作って行ったのは、なぜ?」
そして、今でも質問責めにあっているんです。「とてつもない被害を受け、10年経った今でも未だ問題は完全には解決されていないんですって??」と気の毒そうに私の顔を覗き込む彼ら。。
私としては、ここに、大きな両国の持つ史観の違いが背景に横たわっているのではないかと見ています。
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実際、日本からのお客様のご観光を楽しまれる価値観が、この20年間変わってまいりました。まさに隔世の感がございます。20年前には、教会の深い歴史にご関心をお持ちのお客様は、稀でした。綺麗な画像を撮っておしまい?!の感強しでしたが、近年では、ディープなご質問もいただくようになりました。
西ベルリンに位置しております、カイザーヴィルヘルム記念教会は、シャルトル教会のステンドグラスで有名なフランスのガラス芸術家ガブリエル・ロワール氏が、シャルトルの工房で創り上げたものを窓に挿入しています。
シャルトルのステンドガラスは、12世紀、13世紀と時代をぐっと遡っていき、700年以上もの長い伝統を持つステンドグラスです。シャルトルのステンドグラスは、ここ欧州では一斉を風靡してまいりました。シャルトルのステンドグラスをご覧になりたい方は、ここをクリック。
http://www.cathedrale-chartres.org/vitraux-cathedrale-chartres
この記念教会は、1943年11月第二次世界大戦下、破壊され、オリジナルの残っている教会の部分が、博物館として見学できるようになっています。
新しい祭壇のある新教会はその横にあり、8角形の形をしています。
新教会堂最大の特徴はガラス窓で出来た青色の壁です。他の所では見られない珍しいロワール氏の作品であり、2万以上のガラス窓を組み合わせて制作されていた。
多彩なガラスが光彩を放ちながら狭い範囲に集められ、コンクリートの枠にはめ込まれています。差し込む光はガラスの断面によって屈折し、研磨された宝石の輝きに近い印象を見る人に与え、あまりの神秘的な美しさに、しばし、圧倒されてしまいます。
ベルリンの新教会堂では、鉄骨で支えられた壁にブラインドの働きをするガラス窓がはめ込まれている。この教会堂における特別の青い色、ウルトラマリンに関して、ロワール氏はシャルトル大聖堂の「エッサイの木」を表すステンドグラスで使われている特別のブルーからインスピレーションを得た、と言われています。
4cmの厚さを持つ二重壁によって新教会堂は遮音効果を得ており、夕暮れ時の斜光が教会堂内に入り込むことを二重壁に組み込まれた電気照明を使って阻止していて、その時、新教会堂内の壁に組み込まれたガラス礎石が光り輝くようにできています。
よろしければ、このベルリン・カイザー・ヴィルヘルム記念教会の新教会のステンドグラスをご覧くださいね。
http:// https://youtu.be/jv7CvE_Mn2Y
また、ロワール氏は、日本でも有名な箱根彫刻の森美術館のステンドグラスが、全面に挿入されていて、幻想的な光を放っている、高さ18m、内径が8mの幸せを呼ぶシンフォニー彫刻も作られています。
本来文化に国境はございません。
芸術は、人々の心を動かし、行くは、人々の心と心を繋げていくんですね。
38回目のメルマガでお会いできて感激です。
また次回もお立ち寄りいただければ幸甚です。
ありがとうございました!
save healthy, I wish you & your family have a happy easter
see you soon..
Best regards from Berlin
ベルリン通訳ガイド 後藤裕起子
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