ラファエロの名画「システィーナの聖母マリア」をドレスデンで鑑賞!!

ドレスデン絵画館・アルテマイスターで観たこと、感じたこと。。 続・エルベ川編

🇩🇪 メルマガ「ドイツもこいつも. . . 」No.123

ベルリン通訳ガイドの後藤裕起子です。今日もメルマガを開封して頂きありがとうございます。

残暑お見舞い申し上げます 💦

お盆休みも終わり、2025年も光陰レーザーの如しで、後半に入って参りました。読者の皆様お元気でお過ごすしですか?

今年のベルリンの夏は、猛暑も数日あったものの、昨年に比べると涼しく快適な夏だったと思います。ちなみに本日の最高気温は、25℃まで上がるようですが、日本に比べると圧倒的に湿度が低いので、薄い上着は朝晩羽織っております。。

ベルリンの町で見かける日本人のお客様も、嬉しいことに少しずつ増えて参りました。
そんな中、先日、お客様とドレスデンへ行って、絵画館アルテマイスターで絵画の鑑賞を致しました。この絵画館は、本当に一日中いても飽きない、充実感満杯で絵画鑑賞がお楽しみになれます。

ドイツ各大都市には、素晴らしい絵画館がございますが、ここは歴史もあり、格別です。
トップにあります、写真は、このアルテマイスターの入っている、ドレスデン・ツインガー宮殿です。

ざっと700点の有名な絵画があり、その中でも、この作品が売りの中の売り!!

この絵画は、ラファエロのシスティーナの聖母です。
絵画にご興味のある方は、ご存知でしょう。イタリアのルネサンスで最も有名な絵画の 1 つです。この絵画を目指して、ドレスデンを訪問する方も少なくないと言われています。

この作品は、1754 年にアウグスト 3 世国王からの委託を受けて購入されたそうです。

このアウグスト3世とは何者だったのか??
ドレスデンに1696年に生まれ、1769年に没した、ザクセン選帝侯並びにポーランド国王でした。

お父さんは、アウグスト強王で、1670年生まれ、1733年没。ザクセン王国の首都ドレスデンを「エルベのフローレンス」にしようと試み、街の建築もイタリア風に建設した王様。ザクセン・ドレスデンの歴史の上では中心人物で、多大な建築物を作り、また芸術作品も集めましたし、何よりもマイセン焼きの創業者、ベットガーをマイセンのアルブレヒト城に幽閉し、欧州初めての陶磁器を作らせた王様だったんですね。。ゴージャスな生活を営んだ王様として知られています。

一方、アウグスト3世は?っというと、父親とは打って変わって、内向的な性格で、芸術文化への造詣がさらに深く、そして傍ら、狩猟にも情熱を傾けた王様として有名です。

ここドレスデンは、お隣のプロイセン王国と比較すると、歴史的には、一歩早く開けて行った王国です。プロイセンの首都はベルリンでしたが、代々のプロイセンの王様は、風光明媚な近郊のポツダムを愛し、ポツダム・ブランデンブルグ地方にお城をたくさん建てました。

ポツダム・サンスーシ宮殿を建てた王様のフリードリッヒ2世は、ザクセンと7年戦争を止むなくする羽目になり、ロシアの援軍により、プロイセンが危うく戦争に勝ちました。

彼はザクセンのことを、「ザクセンという国は、ジャガイモの麻袋に似ている。叩いても叩いても限りなく埃が出てくる、、。」と言っていたそうです。埃が限りなく出てくるほど、土地も豊かだったのでしょう。。 笑

私は、2001年からベルリンを中心に東ドイツの地域の観光通訳ガイドをしています。
その当時、ドレスデンは、旧の東ドイツの街の佇まいがまだ根強く残っていましたが、その後、見違えるほど観光資源を引き出し、観光地としてデヴュー致しました。

何もないところから村おこしをするのは、大変な苦労を厭わなければなりませんが、文化が深く寝付いているところを耕すのであれば、土台は既にあるので、構想も立てやすいのではないでしょうか。。文化は耕すとも言いますよね

さて、このアウグスト3世が購入したラファエロの名画中の名画。
この写真では想像できにくいと思います。。実は、2m以上はある大きな絵画なんです。Wow

画家の描く絵画は、点一つをとってみても、絵の中のどのポジションに、どのくらいの大きさで、色は何色で、、と、考え出されていて、全てに意図があります。またプロであれば、誰からこの絵を描く注文をもらったのか。王様なのか、承認なのか、教会の司教から、または地元の裕福な裕福者なのか、、。絵画に大きく影響して参ります。

ラファエロは、1483年ウルビーノというイタリアの小さな町で、宮廷画家の父親の子供として生まれました。
しかし不幸にして、両親は子供の頃に亡くなり、画家ベルジーノの工房に弟子入りをし、メキメキと傑出した才能を磨いていきます。

1500年を過ぎた頃、フィレンツェに移り、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの作品に触れ、影響を受けます。

その後、ローマに移り、教皇庁の仕事の依頼に携わっていきます。

この絵画をご覧ください。左側に教皇が描かれています。この教皇は次期の大司教の座に自分が着任したいという願いがあり、その願いをこの絵に託しており、キリストを抱いたマリアに行く道を示唆しています。

また、このマリアのイメージは、ラファエロが自分の愛していたパン屋さんの娘がモデルだったそうです。超べっぴんさんだったんですね〜。思わず、見惚れてしまいます。

画家は、自分が会ったことのある人のイメージで人物を描いていくという理論も、このラファエロの傑作からも読み取ることができますよね。

1520年残念なことに、37歳の誕生日にローマで亡くなっています。当時は現在とは比較できないほど、一般的に短命でしたが、彼はイタリアルネッサンスの3大偉人の一人。ミケランジェロ、レオナルドは一人で大きな教会の壁画を描いたりしていましたが、彼の場合は、一人で仕事をせずに、弟子たちに仕事を分けていたので、彼の工房は、大きなしっかりした組織だったそうです。

という背景から、短命でありながらも、作品はたくさん残っているんですね。。ところで、インターネットでは色がまちまちで、本体の絵画に使われている色は、残念ながら明確にはわかりません。このマドンナが身に纏っているブルーは、ラファエロプルート言われているスペシャルな色なんですって。。

やっぱり、画家ともなれば、青💙ならなんでもいいってなわけにもいかず、こだわりがあるんだなって、思いましたよ。笑 なので、ラファエロブルーを実際にご覧になりたい方は、ドレスデンにいらっしてくださいね。このブルーを選んだラファエロのセンシティブなフィーリングが、グッと伝わってくる感じします。

読者の皆様、ご心配はご無用!
喜んでベルリンからお供させていただきます!!心よりお待ちいたしております。

ドレスデン・ツインガー宮殿

本日も最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

SEE YOU SOON💙

Best regards from Berlin
ありがとうございました!
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ベルリン通訳観光ガイド 後藤裕起子

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