マイセンの魅力をお届けします!  エルベ川編

マイセンの魅力をお届けします!  エルベ川編

🇩🇪 メルマガ「ドイツもこいつも. . . 」No.122

ベルリン通訳ガイドの後藤裕起子です。今日もメルマガを開封して頂きありがとうございます。

暑中お見舞い申し上げます 💦
日本に住むお友達からのメイルで、猛暑、酷暑、災害級の暑さが続いているとか、、。😖

本日は、80年前に広島に原子爆弾が投下された忘れられない日。そして、3日後の8月9日に長崎に原爆が投下され、ベルリンでも核のない世界を目指して、さまざまな集会が開かれております。今や、緊迫している世界の政治状況。。世界の平和を切に祈る、毎日です。

10月に私たち有志で、被爆者の方をベルリンにご招待し、ご体験を若者にお話して頂き、ディスカッションをする、催しを現在準備しております。
まだ後日、読者の方にご紹介させていただけるかと存じます。乞うご期待!

さて、弊メルマガにて、前回は昨夏の続編ライン川編のアップデートをお届けいたしました。

今メルマガでは、ドイツを流れる川で、2番目に長い川・エルベ川編!と題しまして、エルベ川沿いに佇むマイセンをご紹介いたします。エルベ川に吹く涼風を、読者の皆さまに少しでもお届けできれば、嬉しいのですが、、。

ベルリンから、たったの車で約2時間半で、古都マイセンに到着いたします。

アウトバーンを2時間位南に走っていくと、なだらかな丘陵地帯に入っていき、そこは、果樹園葡萄の栽培のパラダイス。マイセンワインで有名な欧州ワインの最北端に当たります。

(エルベ川対岸からマイセンのアルブレヒト城と大聖堂をゲット)

日本からのお客様で、お料理教室を全国に経営されているお客様がいらっしゃいました。

教室の生徒さんも含めて、15人くらいのグループで、マイセンを訪れたときに、ワインを栽培しているワイナリーの農家で昼食をお取りいただきました。先生のご要望が、ワインにあるお料理が召し上がりたい!とのこと。

そこで、ワイナリーでお食事もできる農家を訪問。私は、生まれてはじめて、きふワインを所望いたしました。まあ〜甘口で美味しかったです。どこにでも売っているわけではないということで、お客様皆様、3本くらいお求めになっていましたよ。笑 日本の値段の1/3でご購入できるらしいです。
 

マイセンと聞けば、白い上品なマイセン陶磁器を思い描く方は、少なくないでしょう。

ヨーロッパで初めて、白磁製造に成功したマイセン焼。1709年のことでした。

当時のヨーロッパでは、中国磁器や日本の有田・伊万里などが「ホワイトゴールド(白い金)」と呼ばれ、王侯貴族の間で高値で取引されていました。彼らは、この白い陶磁器が欲しくて、欲しくてたまらなかったんですね。。

ちなみに、ドレスデンのツインガー宮殿の一角にある、陶磁器の博物館には、当時の中国や日本から輸入した大きな1.5m以上もある壺がいくつか陳列されています。

白い陶磁器は、王家の家宝として代々大切に王室に置かれていたのです。

磁器の製法を再現するべく、ドレスデンにレジデンスを設けていたアウグスト強王は錬金術師ベトガーに磁器製造を命じます。1709年、ベトガーがついに磁器の焼成に成功し、翌年1710年にはマイセンに窯が築かれました。

(ポツダム・サンスーシ宮殿にも飾られている1710年初期のマイセン焼)

 

それでは、マイセンとドレスデンとはどういう関係があって、どの位離れているのでしょう。。

マイセンからドレスデンまで、車で40分位、電車も通っています。

マイセンもドレスデンもザクセン王国に位置し、ともに1000年近くザクセンの歴史を綴ってきたお仲間。

マイセンの歴史は、ドレスデンよりも古く、現在のマイセン城丘に防衛拠点が築かれました。時を経て、この丘は辺境伯領地としてマイセン帝国城へと発展した背景がございます。マイセン辺境伯領はザクセン王国建国の起点となったため、こういう背景があり、マイセンは「ザクセンの揺りかご」とも呼ばれています。

マイセンの丘の上に、大聖堂とその横にアルブレヒト城がございます。そのお城の中で、ベトガーは幽閉され、ホワイトゴールドを作ることに成功したのでした。まるで、眠り姫が出てくるような、メルヘンの詩情豊なお城です。

(アルブレヒト城丘の上の広場に面している正面玄関)
ドレスデンの旧市街に、1123年から1904年までドレスデンの君主を務めた王様が、時代順に並んで馬に乗って行進している壁画がございます。そこの壁画がタイルばりになっていて、そのタイルは、マイセンで製造されたものであるとか、、。2万3千枚 😱

今号の弊メルマガのメインヴィジュアルの画像は、正にドレスデンにある、その壁画です。

人口約3万人の小さな町マイセンですので、日本で言えば、郡部に属する町になります。ドイツでは、人口が少ないということは問題ではなく、むしろ人々は、小さい程自治体がしっかり作れると考えています。

実際、小さな町でも立派な自治体を作っている町はたくさんございます。ここ文化的な趣向があるマイセンの町の中央部に、マイセン陶磁器工房がございます。

この工房は、創設300年を迎えた時期に、新しく建物を近代的に建て直しました。
2010年のこと。

この歴史的な、創立300年を記念して、日本から邦楽アンサンブル、華組様が遠路はるばる海を超え、お祝いに駆けつけてくださいました。

音響の良い新しいホ~ルで、尺八新都山流3代目 小池玲山さんをはじめ、お琴と三味線の演奏家合計6名の方々が、素晴らしい邦楽をご披露してくださり、万雷の拍手が起こり、圧巻でした。

また、この工房には、製造過程をお客様にわかりやすく説明することができるように、見学できるシステムが用意されていますし、315年の陶磁器の歴史が順を追って示されている見事な博物館もございます。

 

この工房では、定期的にマイセン焼でできたパイプオルガンでのコンサートも開かれていますし、それのみならず、コ-ヒ-カップもタダのカップではなく、底に描かれた剣のマ-クが私達を、300年余りの歴史の中に誘ってくれ、なんとも表現し難い、優しい、温かいWelcome の心を感じさせてくれます。

派手な大都市の喧騒を離れて、ドイツの地方文化の香りをお楽しみになりたい方に、お勧めのマイセンご訪問です。

本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。来週は、すでに日本は、お盆休み。楽しい休暇をお過ごしくださいませ。では、くれぐれもご健康にご留意され、、

SEE YOU SOON💙

Best regards from Berlin
ありがとうございました!
過去のメルマガアーカイブは、こちら

ベルリン通訳観光ガイド 後藤裕起子

ベルリン観光ガイドのサイト http://berlin-kanko.com
ベルリン通訳アテンドのサイト http://berlin-tsuyakugaido.com/